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「秋季大会の予選の対戦相手決ま
ったよ!」
陸上部の練習でグランドで倒れて
いる中、湯河原が現れて笑顔で手
を振っている。
部員たちは重い体を起こして昇降
口へ。湯河原を前にしてグッタリ
しながら発表を聞く。
「さてさて、初戦の相手は……。
金沢港高校!」
みんなは小さくため息。というよ
りホッとしている。
「良かった~。金沢港か」
「余裕だな!」
やはりため息ではなく、安堵に満
ち溢れて出ただけだった。
「さてさて、2戦目は……鶴見産
業高校!」
「鶴見産業か。勝てない相手じゃ
ないな」
「問題は3戦目だよ。3戦目は横
浜早坂」
『えっ!?』
湯河原の口から横浜早坂の名前が
出た瞬間、部員全員がフリーズ。
「早坂と当たんの?」
「ちょいとヒドくね~か?」
「文句言わない! 2勝すればい
いわけだから、金沢港と鶴見産業
に勝てば問題なし!」
「簡単に言うなよ、湯河原……」
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