第2章 目指す先

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「油断が一番の敵。オレが高校の 時の監督の言葉だ」 「監督の監督の言葉……」 「ややこしいぞ、一関」 八王子が思わず突っ込む。そして 興味を持ったのか、一つ問い質し た。 「監督って、どこの高校なんですか?」 「平塚学院大付属。昔は甲子園に 出場したんだが、今はベスト16 がいいとこだな」 「平学大っすか?」 平塚学院大付属高校。強力打線を 武器に甲子園にも出場したことが あるが、近年低迷気味で古豪と言 われ始めている。 「すげ……。って、監督の年代か ら考えたら平塚学大の黄金期」 「まあ、黄金期の少し前かな。3 4歳だから」 「34歳!? 若い……」 「んな、ビックリすることはねー だろ。ちなみに甲子園は出れなか ったが、オレがいた三年間はベス ト4止まりだったな。その2年後 に甲子園連続出場」 「すごいな~」 「普通にやってりゃ、できるんだ バカ」 そう言って、二本松の尻を思い切 りひっぱたいた。
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