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「油断が一番の敵。オレが高校の
時の監督の言葉だ」
「監督の監督の言葉……」
「ややこしいぞ、一関」
八王子が思わず突っ込む。そして
興味を持ったのか、一つ問い質し
た。
「監督って、どこの高校なんですか?」
「平塚学院大付属。昔は甲子園に
出場したんだが、今はベスト16
がいいとこだな」
「平学大っすか?」
平塚学院大付属高校。強力打線を
武器に甲子園にも出場したことが
あるが、近年低迷気味で古豪と言
われ始めている。
「すげ……。って、監督の年代か
ら考えたら平塚学大の黄金期」
「まあ、黄金期の少し前かな。3
4歳だから」
「34歳!? 若い……」
「んな、ビックリすることはねー
だろ。ちなみに甲子園は出れなか
ったが、オレがいた三年間はベス
ト4止まりだったな。その2年後
に甲子園連続出場」
「すごいな~」
「普通にやってりゃ、できるんだ
バカ」
そう言って、二本松の尻を思い切
りひっぱたいた。
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