第2章 目指す先

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「とにかく、一戦ずつ大切に。ま ずは15日後の金沢港だ」 「監督、話があるんですけど、陸 部の練習ばかりで、練習時間が少 なくて、実践もできないんですけど……」 一関が珍しくまともなことを言っ ている。麻生もこれには驚いた。 「一関もたまにはちゃんと言うん だな。体も基礎体力も挨拶だって まともにできないのに、実践なん てやらせるかよ」 「そうですけど……」 「小さなことからコツコツと、実 践はそれが出来てからだ」 「はい……」 「まだ、その小さなことの第一歩 の目標を決めないとな。お前ら、 何を目標とするんだ?」 「ん~……」 部員全員が頭を抱える。目標なん て全然考えてなんかいない。 「お前らは何の為に野球をやって る? 何を目標として野球をやっ てるんだ?」
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