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試合前日、練習を早めに切り上げ
てミーティングを行っている部員
たち。
「金沢港高校は、夏の大会1回戦
負けで部員数は11人。だからギ
リギリでなんとかやってるチーム
だよ」
湯河原がチームデータを発表して
る中、寝てる奴が一名。
「一関起きろ!」
湯河原が一関に向かって、思い切
りマジックを投げた。
「イッテー!!」
見事命中。一関はマジックが当た
った頭をさすりながら奇声を発す
る。
「相手のチームが分からなくて困
るのは自分なんだからね!」
「す、すいません……」
「じゃ、麻生監督、最後にお願い
します」
「明日の試合、5回コールドで勝
てなかったら大会期間中は打撃練
習は封印な」
『えっー!』
「明らかに相手は格下だ。あとは
長打はいらない、小さなことから
コツコツと、だぜ。それと采配は
3回まで八王子、以降は二本松が
サインとか出せ」
「「は、はい」」
そう言って麻生は居なくなった。
麻生が部屋から消えると、張り詰
めた緊張感からユルユルな空気に
ガラッと変わる。
「何考えてるんだ?」
「さあ……」
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