第2章 目指す先

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帰り道、二年生四人組は大三元へ と立ち寄る。大会前夜祭と称して ちょっとした宴会だ。 「いらっしゃい!野球部軍団!」 「よ、おっちゃん!」 「いつもの頼むよ」 「へい! 毎度!」 四人はテーブルに座り、水をガブ ガブと飲んだ。そして二本松が口 を開く。 「ふぅ~。ビックリした~」 「本当だよな。何言い出すと思っ たら5回コールドとか、オレや二 本松が采配だとか……」 「今に始まったことじゃないけど 今までで一番ビックリした」 と、二本松と八王子がため息をつ いてガクッと落ち込む。 「へい! 餃子とファンタ」 「おっちゃんサンキュー!」 「明日、大会なんだってな」 「そうなんだよ、おっちゃん。聞 いてくれよ」 「勝てば問題ないやろう。結果が 全てだよ」 急に話したかと思えば、意外な答 えに4人は仰天。 「そういう問題じゃ……。てか、 話聞けよ……」 「勝ちゃいいんだ。試合勝ったら 餃子一個付けたるよ」 「マジか? あのケチな大三元が か?」 「ホントかよ~?」 みんな驚く中、一関だけは疑惑の 目でおっちゃんを見る。 「何疑ってんだよ! 江戸っ子は 嘘つかねーよ!」 「江戸っ子だから、東京生まれな んだ、おっちゃん」 「いんや、オレは熊本生まれだ」 『…………』
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