序章

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 中には、楽器が乱雑に置かれているはずだった。  でも、そこには何もなかった。真っ暗闇だった。まだ、日は高いというのに!  何かが腐ったような、饐(ス)えた異臭が鼻をつく。  けれど、感覚といえばそれだけで、目が暗闇に慣れることも、いっこうになかった。  まるで、闇に吸い込まれそうで、ゾッとした。 「どう?怖いでしょ?」  暗闇の中を見つめながら、そいつの言葉に頷いた・・・・・・。
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