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「どうしたのかなぁーこみるちゃん」 暫くしておばさんが私の病室にきた。 白衣を着てるからナースなんだと思う。 何か聞かなきゃ 「私、どうしたんですか?薊は?お父さんは?……お母さんは…?」 少し泣きかけた。 あの瞬間が脳裏に焼き付いて離れない。だというのに、どこかでまだお母さんを信じている自分がいる。 そのナースの人は少し困った顔をして、 「ご両親は………。」 と言って、それを誤魔化すかのように 「あざみちゃんはねぇ、とーっても元気よぉー」 とにっこり笑って言った。 その笑顔が不愉快だった。 「お父さんは……死んじゃったんですか?」 私は追及した。 よくわからないのは嫌だった。
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