1262人が本棚に入れています
本棚に追加
/302ページ
あの後、皆で昼食を頂き、私も美味しく食べた。
ただ頭の中では、魔王様の言葉を思い出していた。
それにあの魔王様の顔……。
“似ているって誰に?
それに何でお母さんの名前聞いたんだろ。何でかなぁ?”
『おい、神楽。心の声が丸聞こえだぞ。皆、笑っている』
呆れたようにリルにそう言われ、私は周りを見渡す。
皆、可笑しそうに笑っている。
カザナも…。隣にいるリルは、少し恥ずかしそうだった。
『…ごめんね?リル。今度からは気をつけるから』
食事も終わり、私はリルと一緒にリルの部屋へと戻った。
『わぁ――――ん。恥ずかしいよぉ!心読まれるなんて今まで体験したことなかったんだもん!素直に考えちゃうよぉ!!』
私は部屋に入るなり、リルのベッドにダイブした。
『神楽?親父に何言われた?』
するとリルは私の髪を掻き上げるように持ち上げ、私の顔を覗く。
そして私の頭を、優しく撫でてくれた。
『後で部屋に二人で来なさいって。昔話をしようって。』
そう言い終えるとともに、私はある事を思い出し、ガバッと起き上がる。
『どうした?』
そんな急な私の行動に、リルはビックリしていた。
『ねぇ!魔王様の声とか聞こえなかったの?』
最初のコメントを投稿しよう!