始まる非日常

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「ふぁ~」  どうやら六限目のLHR(学級活動の時間。又はロングホームルーム)を寝過ごしてしまったようだ。  三月の窓際の席といのは睡魔との戦いだと誰かが言っていたがあれは本当だね。  おっと、自己紹介がまだだったね。  僕は『十七夜月 零(カノウ レイ)』。変わった名字だとよく言われるね。  顔は……今まで放課後に呼び出されたり、バレンタインデーに本命チョコをもらったことがないことから想像してもらえば……言ってて悲しい。  目立つところといえば後ろの髪が肩甲骨のあたりまであって一つに結んでるところぐらいだ。  背はあまり高くないしね。  こんなとこかな。 「おーい。席つけー」  担任の『中野 大兄 皇司(ナカノ オオエ オウジ)』先生が呼びかける。  ちなみに『大兄』は祖父の名前で名前の前に付けるのが一族の決まりらしい。  中野先生は通称『兄やん(にぃやん)』と呼ばれる20代後半の若い先生だ。  また物理の先生でもあり『わかりやすい』『おもしろい』『イケメン』と三拍子揃って人気だ。  え?最後の関係ない?  知るか。僕が決めたのではなく一般生徒(『イケメン』は主に女子)が決めたことだ。  でも女子ってなんでランキングとかアンケートとか好きなんだろね。  不思議だ。
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