第一話 悲しい時、瞳から溢れる涙は熱くてしょっぱい

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だけど……。 「無い……」 カップ麺は無かった。三個は置いてあったのに。 「あ、カップ麺ならお母さんが食べたわよ」 とんでもない事を言ったぞこの人! 「いつ!?」 「さっき」 「何で!?」 「えへ。はーと」 えへ。はーと……じゃねぇぇぇぇぇ!! 「答えになってねぇ!」 よく見ると、ゴミ箱にカップ麺の空容器が捨てられていた………三個も。 「可愛い息子に、あんな保存料と合成着色料と環境ホルモンで出来た毒を食べさせる訳にはいかないわ」 言い切ったよこの人……色んな人に謝れよ!じゃあ俺が謝っとくから! ご免なさい!! 「何で食べるタイミングが今なんだよ!つーか、息子が可愛いなら腹減らすなよ!」 空腹で気が立っているが、俺を産んだ人に俺の怒りなど通じる訳がない。 自棄になって米びつを見るが空。 冷蔵庫を開けるが空。 ………。 「何で食べ物が無いんだよ!!」 「てへ。はーと」 そんな仕草…か、可愛くなんてないんだからね! ※※※ 母ちゃんにコンビニに弁当を買いに行く事を告げると、「アイス買って来て」と宣った。 どんだけ食う……もう喰うだよ、ホント。
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