第五話 親の顔が見てみたいっていうけど、実際見たら大抵酷い顔

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男には何を犠牲にしても守らなきゃいけないモノがある。 肉親・恋人・親友・恩人といった人は勿論、宝物等の物だって考えられる。 信念や理想、誇りという目に見えないモノという場合もある。 それらが他人に傷付けられそうになった場合、どう対応するかで男の価値が決まると俺は考えている。 俺はどんな事があろうとも、守ると心に決めている。例え相手がどんなに強大でも、俺は絶対に引かない! ※※※ 「目玉焼きにはソースだろ!」 「断然醤油です。ソースなんて神山先輩の生き方位邪道ですね」 「私、卵料理にはケチャップ何ですが……」 梅雨も終わった七月初め。いつものメンバーでの昼食の時、些細な事から俺、神楽、春魅の三人で目玉焼きに何をかけて食べるかで、朝まで生討論していた。 「醤油は他にいくらでも出番があるだろ、納豆とか海苔とか!目玉焼き位はソースに譲ってやれよ!」 「ソースに出番を譲る…もうその時点で、ソースと醤油に格の違いがある事を認めてるという事になりますね」 「卵料理に足りない栄養素をケチャップは補ってくれますので、今後の卵料理を支える立役者はケチャップに決まりだと思います」 俺達の熱い魂の討論を、あかりは少し離れた場所で冷ややかに見つめている。
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