第五話 親の顔が見てみたいっていうけど、実際見たら大抵酷い顔

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「このままでは、お互いに譲りませんわね」 春魅が額の汗を拭う。 「ここは第三者の意見を聞いて、決めるというのはどうだ?」 俺の提案に、神楽は頷いた。 「ここにいるのは後は日野先輩だけ……必然的に日野先輩の選択が、この愚かで無益な戦いを決着するという事ですね」 神楽は弁当箱を片し始めたあかりの方を向いた。 「さぁ、日野先輩!この無知で愚かな二人に醤油の偉大さを説いて下さい」 ……計画通り。 「……ククク、かかったな神楽」 「え?」 俺の発言に春魅は驚いた顔を向けた。 「伊達にあかりと付き合いが長い訳ではないぞ。あかりがソース派である事は承知の上さ!」 「しまった!神山先輩のIQがチンパンジー並だと思って油断していた」 何だとコノヤロー!これでもIQは125(ちなみにチンパンジーは60位)なんだぞ! 「神成さん……IQはそんなに低いんですか?」 春魅、神楽の言ってる事を真に受けるなよ……。 「さぁ!あかり、お前の好みをその可愛らしい口から発してやりな!」 俺達三人が注目している中、あかりは大きく嘆息してから、ハッキリと言った。 「どれでもいい」 ……こうして、俺達の戦いは、空気を読めない堅物風紀委員長の一言で決着した。 「空気読めないって言うな!」
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