第一話 悲しい時、瞳から溢れる涙は熱くてしょっぱい

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人間には生まれつき、どうしようもない事がある。 親がロクデナシだったり、見た目が悪かったり、最悪に運が無かったり……って、それ全部俺の事じゃん!! ※※※ 「テメェ!何メンチ切ってんだよ!」 これが俺……神山神成が他人から言われてきた台詞、16年連続一位だ。二位以下をブッチギリで引き離し、十馬身以上の差を付けている。 伝説の名馬……深い衝撃もびっくりの実力差だ。 もうどっかのアイドルのベストジーニストみたいに殿堂入りして除外した方がいいんじゃないの? 記録が17年連続なのはもう間違いないんだし。 え、何でかって? それは……今まさに絶賛言われ中だからです。 ※※※ 「あ゛ぁんっ!テメェ!何メンチ切ってんだよ!」 オッサン顔が近いよ。この距離は恋人同士だけが楽しめる禁断の間合いですよ。 あ、鼻毛出てる! 「こっち見ろや!ビビッてんのかあ゛ん!」 どうでもいいけど、あなた『あ』の発音下手じゃないですか? どう見てもサラリーマンには見えないオッサンは、俺を壁に押さえつけて因縁を付けて来ている。
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