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「………ん…」
夜が明け、窓から寝室へと朝日が差し込む。エマは手早く着替え、歯を磨いてリビングに向かった。
「…ジョウは…まだ起きてないみたいね…」
パンをトースターに入れ、焼き始める。その間にインスタントのコーヒーにお湯を注ぐ。
「……おはよ………」
「おはよう、ジョウ。」
ジョウがまだ眠そうな顔でリビングに来た。
「…今日は仕事をやるわよ。食べたら早く準備して…。」
「りょーかい……」
音がすると同時にパンが焼き上がり、ジョウはバターを、エマは苺のジャムを塗りたくってそれぞれ口に運ぶ。
「んで……どんな仕事をやるんだ?」
ジョウがエマに聞く。
「魔狼の討伐。無ければ魔物でもいい。最近体がなまってしょうがない。」
「討伐か…じゃあ俺は留守番な♪」
ジョウが満面の笑みで言うが…
「…あなたの食事も仕事の報酬から出してるのよ?もっとも…家を追い出されて野垂れ死んでもいいなら別に留守番でも良いけど。」
「いえ!謹んで協力させてもらいます!」
「…それでいい。」
(さすがに家を追い出されるのはまずい…)
エマは歩きながら仕事の話やジョウの下らないジョークを聞きながら酒場へと向かった。
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