第一話 ~小さなアルバム~Side ヒビキ

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あの時からずっとぎこちなく笑っていたけど。こんなにも自然に笑うようになった。 そう思うと俺も自然に笑えた。 「ねえ。……もう花火終わってるわよ?」 ナキリの一言に、はっと我に返る。……確かに、空にはもう満天の星達しか存在しない。花火が消えてしまった夜空はどこか物寂しかったけど。 やっぱり自然の光の方がずっと綺麗だと思う。 「ね。写真、撮らない?」 「……そうだな」 俺は頷いて携帯の撮影モードを起動して、セルフタイマーにした。 幸せなひと夏の想い出が、シャッターと共に切り取られた。  
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