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俺を書斎に一人置いて、さっさと自分の部屋に行ってしまうナキリに多少の苛立ちを覚える。
「アルバム片付けんのは掃除終わってからにしろよ!」
俺の言葉を完璧にナチュラルスルーして、俺に掃除を押し付けていった。
廊下にナキリは立ち止まって、微笑みながら呟いた。
「いつまでも、こんな時が続けばいいのにね」
俺にその言葉は届くこともなく……。静かに開いたアルバムにある写真の裏をナキリは眺めている。
写真の隅に小さく書いてあるささやかな一言も俺は当然、知らない。
【ずっと一緒にいられますように】
第一話 ~Fin~
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