第一話 ~小さなアルバム~Side ヒビキ

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「ったく……。ナキリはなんで物の整理をしない?」 俺は乱雑に散らばっている分厚い本達を床から拾いながらナキリをたしなめた。 「仕方ないじゃない。物が多すぎるのよ。片付けるにも整理するにも掃除するにも手間と時間がかかるの」 返って来たセリフはこれ。全くやってられないよ……。 ここ?ここはな、ナキリの家の書庫の隣にある……多分、書斎だな。 ナキリのおじいさん、神籬水鬼(ヒモロギミズキ)さんが仕事の為に造ってもらったんだろう。……ちなみに、おじいさんも数学者だ。 俺はなんでここに居るかというと……。ナキリにこき使われるが為に呼び出された。理不尽だろ? ただな。どうにも言い返せないんだよ……。惚れた弱みと言う奴かねぇ。やっぱり‘二人’でいたいって思うからか……。 ナキリが気付くわけもないけど、な。  
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