第一話 ~小さなアルバム~Side ヒビキ

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俺は恐ろしく重い本達(多分、数学関係の本だろうな)をよっこらせと本棚にしまう。 カタン…… 「あ、あれ?」 なんか、落ちたみたいだな。 「ナキリー。なんか落ちたー」 「えー……。どこ?」 俺は普通の物より一際大きい本棚を指差した。 「この本棚の裏」 「……うーん。取れない……ことは無いけど」 ナキリが難しそうな顔をして唸った。こういう時に限っていいことないんだよな……。 「取れないことは無いのか……。難しいのか」 俺が聞くと首を横に振った。じゃあ、何があるんだ? 「別に難しいことじゃないわ。その本棚を動かすの。多分、埃が凄いと思うけどね……」 なんだ。面倒なだけじゃないか……。大体、掃除するんだから埃なんて気にすることないだろ……。  
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