第一話 ~小さなアルバム~Side ヒビキ

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「またからくり屋敷みたいなことを……。水鬼じいさんはよっぽど、からくりが好きみたいだな」 ナキリは肩をすくめて、まあねと返した。 「とりあえず、動かしてみようかね」 本棚の片方をちょっと試しに引っ張ってみると、動かせそうな感じだった。本棚の本を落とさないようにゆっくり動かす。 「げほっ……また凄い埃だな。掃除ぐらいしろよ……」 独り言を言いながら俺は本棚を動かして開いたスペースを調べた。……ん?なんだありゃ。 一つだけ埃の被ってない、小さな……何かまでは判断がつかないけど、あるな。 「これは……?」 「それ……アルバムね。えーっと……確か本に細工して入れたんだけど」 確かにそれらしいのがあるなぁ……。本も落ちてるし、アルバム塞いでた蓋っぽいのも外れてるし、多分そうなんだろ。  
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