第一話 ~小さなアルバム~Side ヒビキ

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    ~三年前~ 「ヒビキー!早くしないとお祭り終わるよー!」 「分かってるって!」 ナキリの声に慌てて走る俺。浴衣って走りにくいよな。それに草履?だし。 「ほらほらっ!急ぐ!早くしないて終わっちゃう!」 「んな急がなくったって花火はまだ……」 俺はナキリに促されて、走りながらも不平を吐いた。 「いい場所が無くなるでしょ!どーせ見るならいい席で!」 そう急かして俺の手をぐいぐい引っ張る。俺はその勢いに逆らうことは出来なくて、急かされるままに走った。 あちらこちらでやってる露店で綿飴と林檎飴、そしてなぜか焼きそばを買って(もちろん俺のおごりだ)花火のよく見える土手へと向かった。  
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