第一話 ~小さなアルバム~Side ヒビキ

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だけど土手には人が多すぎて、別の場所に行くこととなった。 「仕方ない……。穴場行こ」 全く、穴場があるなら最初からそこに行けっての。 え?学校とかでお祭りに誘われなかったのかって?……もちろん断った。そりゃこっちの方が最重要だし。 まあ、視線が痛いけど。そこは軽くナチュラルスルーの方針でな。 「ここ」 ……穴場に今着いたわけだけどさ。土手から大分遠いけど、橋みたいだ。ゆらゆら水面が虚ろに光ってる。確かに見晴らしはいいな。ここなら花火も見えそうだ。人はそんなにいない。 「ね?いいでしょ?」 そう言ってナキリは、ツインテールを揺らして、無邪気に笑った。 ヒュー……ドォン! あ。 「始まった……」 夜空に浮かんだ綺麗な光の花。ナキリと俺を照らし出す。  
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