第一章

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現在の様子はと言うと……。 古代と森はマンションに宿をおいてに住んでいる。 偶然にも、ユリカが仮住居としているマンションと同じだった。 初めて会ったアキトとも、既に打ち解けているため、仲の良い隣人さん、といった感じである。 しかし、軍に所属している関係で、古代、ユリカ、ルリはあまり帰ってこない。 アキトとは今しばらく予備役としてマンションにおり、コックを目指していたというのもあって、味の研究に没頭しつつ、幼きマシン・チャイルドであるラピス・ラズリを養っている。 あまり感情というものが無かったラピスだが、ユリカやルリが居ないあいだに面倒を見てくれる森のお陰もあって、様々な表情をしてくれるに至る。 今では学校に通っているくらいだ。 彼女曰く、友達が多く出来たそうだ。 森は、軍に形式的には所属はしているが、それは医療関係に限ってのみで、日頃はマンションにおり、ラピスの面倒を見ていたりする。 古代は、ディンギル帝国との戦いで実力が認められ、昇進し、大佐から准将となった。 それに合わせ、真田や他の艦長も昇進を受けた。 ユリカとルリに関しては、昇進は無しとの意見もあったが、ナデシコの活躍(主にルリやマキビ)も認められ、昇進が決定した。 ユリカは引き続き、ナデシコCを旗艦とする独立部隊の指揮を執ることとなった。 元第2護衛艦隊アララギ少将は、中将へと昇進を果たし、臨時の宇宙艦隊司令官となった。 本来ならば、元帥または大将をもって当てるのだが、火星会戦で全戦力を失うと同時に、今亡き福部“元帥”といった上級階級の者が殆ど戦死してしまっている。 さらに付け加えれば、司令部の人間では、参謀型の人が多く、戦闘経験があまりに少ないため、止むを得ず、経験のあるアララギにしたのである。 無論、艦隊司令は彼だけではない、平均年齢が低いのだ。 現在もなお、アララギが臨時の指揮を執っている。 そして、今の古代は再編された月基地第3護衛艦隊の司令官に就任している。 月軌道― 宇宙軍第3護衛艦隊― 旗艦『カルミア』艦橋― オペレーター「地球まで後30分!」 レーダー手「我が艦隊の周囲に異常を認めず!」 司令官『古代 進』准将― 古代「よし、定期通信だ。」 通信士「ハッ!」 古代(あれから1年……皆はどうしているだろうか。それに……今日は慰霊祭だ。) 今日は沖田を始めとする戦死者達の慰霊祭だ。 ヤマト乗組員達は、必ず出席するはずだ、と思っていた。 レーダー手「本艦より右舷方向に艦隊反応!」 古代「あれは……テンカワ提督か。」
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