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ユリカ「早く帰って、ラピスちゃんの成長した姿見なくちゃ!」
一人で有頂天になるユリカ。
操艦士『ハルカ・ミナト』―
ミナト「1ヵ月近くでそんなに変わらないわよ?ねぇ、ルリルリ?」
ルリルリとは、他でもないホシノ・ルリを示すわけだが、この愛称はミナトが付けた名だ。
木蓮大戦で初めて会った時からそう呼ばれている。
因みに、ラピスの場合は『ラピラピ』だとか。
ルリ「それでも、1ヵ月も会っていませんから、高ぶる気持ちは同じです。ですが……。」
ユリカ「?」
首を傾げる。
ルリ「今日は大切な日です。それも、忘れていませんよね?」
が………。
ユリカ「……何だっけ?」
拍子抜けしたように、艦橋の他の者がずっこける。
ルリは想定済みらしく、動揺していない。
ルリ「お忘れですか、今日は丁度1年後ですよ?」
対するユリカは、10秒程考え込んでいると、ポンッと右手を軽く左手に乗せた。
ユリカ「思い出したわ。」
取り敢えず、安堵のため息が出た。
皆して(ボケてないな)と見事なくらい一致して思った。
副長『タカスギ・サブロウタ』大尉―
サブロウタ「しっかし、時間が経てば、結構あっというまですね。」
それには、皆同意見である。
あれだけ無残に破壊されていた地球が、1年経つか経たない間に、瞬く間に復興してしまったのだから。
それだけではない。
壊滅状態の宇宙艦隊までもが、全体の85%(わかりやすく言えば、警備艦隊などを除き、主力7個艦隊の内5個半艦隊分くらい)を揃えている。
後に説明するが、この艦隊を構成する戦闘艦は新鋭艦揃いだ。
マキビ「提督、間もなく大気圏内へ突入します。到着予定時刻は11:00です。」
ユリカ「わかったわ。」
場所は変わり日本。
東京区―
マンション『海羊』―
10階建てのマンションの3階に古代宅とテンカワ宅が離れてはいるが、住んでいる。
テンカワ宅―
ここでは、アキトがキッチンで一人、いつものように味の研究に没頭していた。
復讐鬼だった彼と、今の彼はガラリと180゚変わった。
何せ、全身黒一色に黒マント、黒のバイザーをしていたのだから、ガラリと変わるのも無理ない。
『テンカワ・アキト』少佐(予備役)―
アキト「まだ納得いかないな。」
鍋の中の汁を啜り、首を傾げるアキト。
何を作っているかと言うと、彼が五感を無くす前に作ったオリジナルの『テンカワ特製ラーメン』である。
1年間の間に、料理の腕を上げたのだが、いまいち、ラーメンの味に納得いかないようだった。
アキト「どうしたものか……。」
さらに首を傾げる。
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