7人が本棚に入れています
本棚に追加
「鹿山君!いい事言った!そう、お前がクソなら俺はもっとひどい。反省した。」
何やら鹿山は、自分の意見が通りまんざらでも無い顔で笑っている。可愛い奴じゃないか。そしてこう言った。
「で、どうしたらええ?」
その答えを探すのが大変だ。色々考えなくてはならない。
「う~ん。難しいなあ。まあとりあえずエアコン入れて落ち着いて考えよまい。こう暑くっちゃ答えは見つからんわな。晩飯はひつまぶしにしよう。お互い頭に栄養が必要だで。」
俺達よりも青春している我が校の野球部も、接戦の末にサヨナラ勝ちを収め、夏を長引かせていた。同じクラスの奴がそれほど活躍しなかった。何故か分からないが、それでなんとなく安心を覚えた。
蝉が鳴きやむ前に俺達は何かを成し遂げなくてはならない。お茶に浸された鰻を噛みながら、俺は鹿山の頭上を意味も無く漠然と見つめた。
最初のコメントを投稿しよう!