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登校初日。
桜散る校門を過ぎ去り、下駄箱まで行くと声をかけられた。
「織、おはよ」
昨日の金髪野郎だった。
黙っていると、金髪の方がしびれを切らして話しかけてきた。
「返事しろよ、織」
「……………お前、誰?」
俺は、自分のことをなれなれしく呼ぶこの男に、何か懐かしい感じがした。
だが、
「俺、お前のこと覚えてねぇ」
金髪野郎はびっくりしたように目を見開く。
―――親しい奴だったのかな…?
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