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―――ガァッターン!!
「北中の咲々織八!!
勝負だ!!!」
俺が考えこんでいると、イスが飛んできた。
前を向くと、見たことのある顔。
茶色の短髪。いくつものピアス。けっして悪くはない顔立ち。
―――黙ってれば、色男なのにな…。
「誰だっけ?」
俺はニッコリ笑顔でわざと聞いてみた。
相手の顔はみるみるうちに紅く染まる。
「お前、俺を忘れたとは言わせねぇぞ!!」
拳を俺の顔目がけて繰り出してくる。
―――パシッ!
「嘘に決まってるだろ?
南中ご出身の及川 青君…?」
口元のみの笑顔を及川に見せて、ギュッと相手の拳に力を入れていく。
及川は、追い詰められたように顔を歪ませた。
「織、止めろ。」
金髪野郎が俺の腕をつかんで及川の拳から引き剥がした。
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