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「矢上晋くんという人を探しているの」
私は彼から顔を逸らして、再び矢上晋くんらしき人を探し始めた。
チラリと矢上晋くんの席を見るが、空席なためまだどこかに立っているはずだ。
「顔、見てないのか?」
不思議な様子で聞いてきた彼の顔を見ずに私は頷く。
「見てないけど、凄く優しい人だったよ」
「ふーん」
ていうか私、何で初対面の人にこんな話をしているのだろうか。
見知らぬ人に言っても無駄なので、とりあえず話題を変えようと初対面の人の間では定番の名前聞くことにする。
「ところで、あなたは?」
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