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「子供には優しいのにな」
眉を誇らしげに上げ上から物を見るような視線を向け、口はあの身の毛が弥立つような妖しい笑み。
「……子供と遊んでるのを見た事あるの?」
可能性のある事柄を上げれば「まあね」と言ってまた笑った。
ただ子供と遊んでいただけなのに、なぜ笑われなければいけないのだろう。
それ以前に、どこで見られたのだろうか。
もしかしたら、たまたま近所を通りかかったのかもしれない。
「顔、よく覚えてたね」
あえて核心には突っ込むことはせず、動揺していることを気付かれないように会話を進める。
「忘れるのはお前くらいだ」
「……あのねぇ、『お前』じゃなくて『高坂美春』!」
「『美春』ねぇ……だから『みーちゃん』?」
ゾクッ
みーちゃんと呼ばれたせいで全身に鳥肌が立ってしまう。
子供達が大きい声で呼んでいたのが、聞こえたのだろうか。
「み-ちゃん」なんて子供達にしか言われてないから、同年齢の人に言われると気持ち悪い。
反論すればまた何か言われそうだったため、無視をして顔を違う方に向けた。
それと同時に、晋の周りには女子達が集まる。
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