ﾌﾞｽでごめんね

寮生活の始まり

ショックのあまりがっくりとうなだれ、靴置き場に向かってトボトボ歩いて行く。

他のクラスをついでに覗いていけば、やはり誰もいない。

クラスメイトも気になるが、それ以上に三年間同じ部屋を過ごすルームメイトは、みんな慎重に決めたいはずだ。

と言っても、第一印象は所詮その場の印象でしかなく、大半の人は現在の印象とまるっきり変わってしまう。

一見おしとやかで可愛らしい雰囲気の子も次第に本性を出していき、二ヶ月もすれば女王のようになるかもしれない。

実際に三年前の中学生になりたての頃の話だが、この容姿のせいでひとりぼっちだった私に一人の女の子が話し掛けてきた。

とてもおしとやかでちょっと恥ずかしがり屋な可愛らしい子だ。

しかし、ある程度学校生活に余裕ができると、彼女は全くの別人に変わった。

しつこいくらい「ブス」と言われ続け罵られたのをはっきり思い出せる。

後ろに複数の男子を引き連れ、私を「ブス」や「キモい」と言ってバカにするのだ。

入学当初のあの優しさは、きっと他の人達に『優しい人』という良い印象を与えるためだったのではないかと今になって思う。

そんな理由もあり、ルームメイトには一層気を付けて決めなければならないのに、どうしてこんなことになってしまったのか。