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「これからもそう呼べよ」
「分かったわよ。ほら、さっさと行って!」
私は寮があると思われる方向に向かって、指を突き出した。
「『やだ』って言ってるだろ」
晋は頑として先に行こうとはせず、ゆっくり歩く私と肩を並べ歩を合わせている。
このまま行けば、私は間違いなく晋とルームメイトになってしまうだろう。
軽くため息を付き、とりあえず一秒でも早く寮へ着くように自分なりに一生懸命歩く。
もしかしたら運良く誰かいるかもしれないし、諦めては駄目だ。
「い、痛!」
はりきりながら少し歩調を速めた瞬間、膝にピリッとした痛みを感じた。
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