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慌てて晋から寮の場所を聞き出したが、寮に着いたのはそれから二十分後だった。
もちろんほとんどの生徒は、晋の思惑通りルームメイトをとっくに決め部屋に入っていったようだ。
楽しそうに自室へ入っていく女子達を羨ましそうに見つ、まだルームメイトの決まっていない人達を確認する。
残ったのは……
「あと四人だ」
いかにも「熱血体育教師やってます」という雰囲気を醸し出すゴツい先生が、私達に向かって言う。
腕を組んでいるせいか、筋肉がムキッと強調されていてかなりすごい。
まさに野生のボスゴリラそっくりだ。
「プッ」
青々しい木が生い茂るジャングルで、この先生が「ウホウホ」雄叫びを上げ他のゴリラを従えているのを想像してしまった。
あまりにもマッチしていたので、思わず吹き出してしまう。
私の考えていることを空気で察した先生が、さほど大きくない目でギロリと睨んでくる。
申し訳ない気持ちになったが、やはり面白い物は面白いので仕方ない。
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