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十五時くらいになると探検に満足した様子の靖と壱が部屋に来て、四人でお菓子パーティーをした。
探検の話を聞けば靖はちゃっかり仮入部の手続きをしたらしく、明日から練習だと張り切っている。
壱は野球は好きだけれども、部活をする気はないらしい。
高校に入って部活をやらない人は多い。
そのため特に気になることではなかった私は『そうなんだ』と軽く返しただけだ。
主に靖は晋と話していて、私はほとんど壱と話していた。
最初はどもりすぎる壱と、会話が成り立つのかと疑問に思っていた。
しかし、話してみると確かに話し辛い部分もあったけれども、その度に慌てる姿が妙に面白く感じてしまう。
それに偶然壱と好みがほとんど合っていたらしく、好きな歌手や映画のことで話題は尽きない。
私の好み歌手や映画は特殊らしく、同級生で話が合う子がいなかったためか、こうやって語り合えるのが新鮮だった。
それ以前に話す友達が、いなかったのだけど。
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