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「平和だ」
マクスウェルは戦時中には些か不謹慎なことを呟いた。
「アーサーがいないだけでこれほど快適だとは思ってもみなかった」
「それに………
その頃
「へっくしゅん!」
「風邪ですか?バルフォア小尉」
近くにいた兵長が尋ねた。
「大丈夫だと思うけど。誰か噂でもしてるのかな?」
「そんなのは迷信ですよ」
「ははは、だよね」
………とにかく、あいつと離れられてよかった」
マクスウェルがバルフォアのことをいい終わったところを狙いすましたかのように、
「マクスウェル中尉、イイオ大将がお呼びです」
「わかった。すぐに行く」
マクスウェルはそう言って、昇進の期待と左遷の不安を胸に、イイオ大将の執務室に向かった。
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