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ドックに着いた2人は自分の目を疑った。
なぜなら“わかくさ”がとてつもない老朽艦だったからである。
造船当時はともかく、今は若草と言うより枯れ草と言った面持ちだった。
しかし命令に逆らうわけにもいかず、2人は仕方なしに“わかくさ”に乗り込んだ。
「待っていたぞ、2人とも」
ブリッジに入った2人はそこで聞き覚えのある声を聞いた。
「改めて自己紹介しよう。俺がこの駆逐艦“わかくさ”の艦長、フレダリク=ハーシェル中佐だ」
「ハーシェル先輩!」
マクスウェルは先ほどまでの表情が嘘のように喜んだ。
「もうその呼び方はやめろ、ナンバーワン(副長のこと。ちなみに船長はスキッパー)。作戦開始は明後日だ。それまでゆっくり休んでおけ」
その頃
「提督、宇宙連合軍の通信を傍受しました。地球時間で2日後にカミエータ星雲に攻めこんで来るものと思われます」
「わかった。出撃準備だ!」
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