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僕はホッとして緊張の糸を少しだけ解いた。
「だって…たかにぃ、私っ」
最初に口を開いたのはご主人さまで、次々に言葉を並べる。
「私ね、あんまり非現実的なことって信じられなくて…だから、これが夢だったらって思ってて…」
「うん」
「ほんとにほんとに大事にしてきたの…だって家族だから…」
貴浩は相槌[アイヅチ]だけうっている。
家族って…僕のこと?
僕は静かに二人の話を聞いていた。
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