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「ぼくね、ずっと言いたかったことがあるの」   「なぁに?」   体を離して、ご主人さまが笑顔を向けてくれた。 もう僕から目をそらしたりしない。   「ありがとう!ぼくを見つけてくれて!拾ってくれて、大事にしてくれてありがとう!」   感謝してもしきれない。 愛情をいっぱいもらって、僕はここまで生きてこられた。 あの日、ダンボールの中で淋しくて震えていたとき、ご主人さまは僕を家族にしてくれた。 ひとりぼっちだった孤独な日々。
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