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「み…美優?」
『えっ?』
「そんなに…泣くほどこいつが好きなのか?」
そう、あたしはいつの間にか涙を流していた。
『好き…なの。先生じゃなきゃ嫌なの』
「美優…」
先生はそっと、あたしを抱きしめてくれた。
「兄貴、俺はお前に何を言われても、美優を手放す気はない」
「…クククッ…」
『…兄貴?』
「あははははっ!!」
「何笑ってんだよ」
兄貴は、あたし達をシカトして誰かに電話を掛け始めた。
「あっ、もし?久美ちゃん?」
どうやら、電話の相手は兄貴の彼女の久美子先輩のようだ。
「うん。美優に彼氏出来てさあ…
俺らより年上なんだけど、合格だよ。
こいつなら、美優を任せれる」
『えっ?』
合格…?
任せれる?
「はいは―い!!分かったよ
じゃあ、また後でな」
兄貴は、電話を切り
あたし達の方を見た。
「美優、お前の今までの彼氏は俺が別れろって言ったら、どうなってた?」
『いつも、兄貴に紹介した直後にフラれてたよ…』
「だろ?でも、こいつは違ったよ。俺の目を見て、手放す気はないって言った。
こいつとなら…俺は応援する」
うそ…!?
兄貴が応援する?
『あに…き…ありがと…』
あたしは、また新たに涙を流した。
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