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夕方になり、みどりと百合子が家に来た。
部屋に上がってもらい、とりあえず飲み物を出した。
『どうぞ…』
「どうも…」
「ありがと☆」
『…』
「…」
あたしも百合子も、お互い無言だった。
「あんたさ…」
先に口を開いたのは、百合子だった。
『…なに?』
「いつから先生と付き合ってるの?」
『…夏休みから』
「そう…。あたしが先生に告白するって言ったとき…何で言わなかったの?」
『言えないよ…』
「そうだよね…。
あたしさ、先生に美優と付き合ってるって聞いて、すごいショックで…バラしてやろうかと思った。
でも、先生が…さ」
百合子の目からは涙が流れていた。
『百合子…』
「先生が…「俺はどうでもいいから、美優だけは傷付けないでくれ。頼む…」
って…頭下げてきたの。
先生は、美優の事本気なんだなって思った。
だから…あたしは、バラさないし、邪魔しないよ。
好きな人が幸せで、あたしも幸せだから…」
『百合子………』
百合子の言葉に涙が溢れた。
「キスしてごめん…見てたんだよね?」
『ううん…ありがとう…』
百合子…ありがとう。
百合子は、あたしが思ってたより純粋で、いい子だった。
嫌いなタイプだったのに
この件で、百合子と仲良くなりたい
そう思った。
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