プロローグ

3/3
前へ
/16ページ
次へ
「はぁ……く……」 胸の高鳴りを抑え、秋葉は水温を下げ、ボタンを押した。 冷たい水が秋葉の体を濡らしていく。 「はぁ、はぁ……はぁ……」 深呼吸をし、なんとか落ち着けると、秋葉はボタンを押してシャワーを止めた。 「兄さん……こんな時間にどこに行ったんですか……」 秋葉は兄を捜すため、家から出た。 「え?」 家から出て坂道を下っていると、地面が赤く染まっていた。 「兄……さん?」 赤く染まった地面は路地裏まで続いているようで、秋葉はその跡を辿ることにした。 「秋葉。どうしました?」 「メガネ……いきなり話しかけないでくれる?」 「冬美が心配していましたから、様子を見にきたんです」 秋葉はそう、と言って欠伸(あくび)をする。 「リーダーは何してる?」 「ナイトの帰りを待っています」 「そう……」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加