第一章 警視総監から直々に

4/19
前へ
/255ページ
次へ
野田が出ていってから、真理亜は練習場を出た。 【ほんと…接しにくいなぁ】 真理亜の部下は殆んどが年上。 親と年が近い部下まで居る。 そんな彼らに指示を出すのは、なんともやりづらい。 射撃の練習の後の為、真理亜が凝った背中を伸ばしたとき。 「真理亜」 「あ、眞央」 大和田眞央(オオワダ マオ)に声を掛けられた。 彼は、警察の管轄の科学班のリーダーだ。 若くしてその座に就いているのは、彼の頭脳の素晴らしさによるものだろう。 いくら実力社会といえど、若くして高い地位に就いている者はさほど居ない。 真理亜の数少ない“仲間”である。 白衣を身に纏っている大和田は、眼鏡を押し上げた。 「真理亜、もう昼飯食った?」 「ううん、まだ。眞央は?」 「俺も。一緒に食いに行こうぜ」 二人は食堂に向かった。
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5083人が本棚に入れています
本棚に追加