5083人が本棚に入れています
本棚に追加
野田が出ていってから、真理亜は練習場を出た。
【ほんと…接しにくいなぁ】
真理亜の部下は殆んどが年上。
親と年が近い部下まで居る。
そんな彼らに指示を出すのは、なんともやりづらい。
射撃の練習の後の為、真理亜が凝った背中を伸ばしたとき。
「真理亜」
「あ、眞央」
大和田眞央(オオワダ マオ)に声を掛けられた。
彼は、警察の管轄の科学班のリーダーだ。
若くしてその座に就いているのは、彼の頭脳の素晴らしさによるものだろう。
いくら実力社会といえど、若くして高い地位に就いている者はさほど居ない。
真理亜の数少ない“仲間”である。
白衣を身に纏っている大和田は、眼鏡を押し上げた。
「真理亜、もう昼飯食った?」
「ううん、まだ。眞央は?」
「俺も。一緒に食いに行こうぜ」
二人は食堂に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!