第一章 警視総監から直々に

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“池田屋事件”。 そう言われて、真理亜が思い当たるのは一つしかなかった。 しかし、それは有り得ない。 真理亜はひきつった笑顔で訊ねた。 「その事件は…いつ起こりましたか?」 「一八六四年だね」 …有り得ない。 「…何百年も前のことですよね?」 「そうだね」 ますます分からなくなった真理亜に、岩槻は明るく笑ってみせた。 「すまんすまん。きちんと説明しよう」 真理亜は未だに強ばった表情のまま頷いた。 「“池田屋事件”。これは明治維新を一年遅らせたと言われる事件だ」 知っていた真理亜は頷いた。
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