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「近年、我が国の経済は低迷している。ここまで成長を遂げた日本の何処にその原因があるのか?政府は考えた。しかし、分からなかった。というよりは、見付からなかったんだ」
だから、と岩槻は椅子に腰掛け直した。
「“今”に原因があるんじゃない。“過去”にある。政府はそう考えた」
真理亜は再び頷いた。
「そして政府は、警察の管轄の科学班に依頼した。“タイムマシーンを作るように”とね」
岩槻は煙草を取り出し、火を点けた。
「先日、科学班リーダーの大和田君から、完成したと連絡が入った。そのときに言われたのは“タイムマシーンは定員一人”」
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