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さらに真由さんは、こんなことも言っていた……。
『何だかんだで、あの二人を繋ぎ合わせてるのは、あの子だよねぇ……』
『……辰野のことですか?』
『そう、るうちゃん。普通に考えて、あの二人の反りが合うわけないでしょ~』
『………はぁ』
『……まあ、あの子のおかげで、二人とも随分丸くなったもんよね~。それだけの力っていうか、魅(ひ)きつける何かがあるんだよ……るうちゃんには』
……そんな力がある女の子に、膝枕してもらってるんだよなぁ……。
………。
「どしたの、カー君?」
「いや、別に……」
ヤベ、辰野の顔……直視できねぇ……。
……要するに、俺も辰野に魅きつけられてんのかな……。
「ハイハイ、そこでイチャついてる高校生二人~。試しに音録るから、手伝って~。るうちゃんはキーボード、燈佳はベースね」
……と、姉貴からの呼び出し。
「やろっか、カー君」
「あぁ……」
……まあ、辰野のおかげで繋がり合ってる「人嫌い」な二人が、共鳴しあって……新しい音を作り上げようとしているんだから……。
きっと大事件になるに違いない。
その瞬間に立ち合えるって事は、結構凄いことなんだろうな……。
「あ、燈佳。後で殴らせろ」
「……何でだよ」
「『るうちゃんの白い太ももで、あろうことか膝枕をした』罪により」
「………」
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