人の話:思う節

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    「うん、 ごめんね。 手伝うよ」 「もしかして、 お婆さんのこと思い出してた?」  結婚して、 幸せな筈なのに。  文句のつけようもないような、優しい旦那様が居るにも関わらず、 不意に押し寄せてくるこの不安は何なのだろう。 「えっ?」 「考え込むときに死んだお婆さんの写真眺める癖あるよね」 「……やだなぁー。 悩みなんてあるわけないじゃん! 考えすぎ考えすぎ!」  悠ちゃんを軽くパシパシと叩きながらごまかすわたし。 何でも見抜く出来たパートナーは、 逆に出来すぎていて時々窮屈になる。  
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