空と海

2/2
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
〈空と海〉 >空と海は昔、一つでした。空は海が好きで海は空が好きでした。空と海はただの名前であり、その二つを分けるものは何もないはずでした。魚はその両方に住み、雲はその両方に存在します。いつも手を繋いですぐそばにある存在。ところがある日、神様が空に一つの仕事を任せました。天気を決める仕事です。空はすぐに海に相談しました。海はすかさず雨を提案します。海は水が大好きだからです。天気は毎日雨でした。毎日毎日雨でした。水で溢れ、全ての物が流され、全てがなくなりました。空は自分の過ちに気がつきました。必要なものは、自分達だけではないと思いました。空は繋いだ手を離しました。二つは一番遠い所に行かなくてはならなくなりました。今日は晴れ、明日は雨…空は天気を毎日変えます。魚も雲も、住む場所を決めました。二つは繋いだ手を離したけれど、いつもお互いを見ています。夏の晴れの日には海には人が入ります。海は晴れも好きになりました。空と海は一番遠い存在になったけど、いつでも二つで一つです。 >💕おしまい💕 > >
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!