終焉

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『お久しぶりですね』 『キゲア!!久しぶりだね』 『ダイさんこそ元気そうで…』 ここは炎の大地の北に位置する場所 下に海が広がる丘地 そこにひっそりとただずむ墓標 キゲアと呼ばれる女性は喪服を着て小さい娘の手を引いていた ダイと呼ばれた男は朱の軍服姿 手にはカサブランカの花 『ダイさん…あの人が生前に愛していた花ですね』 『今日が命日やからね』 『早いものですね…もう10年ですか…』 『そうやね』 『所でダイさん、カミュ兄さまは…』 『会ってはいないけど元気みたいやで』 ダイがにっこり笑う 釣られてキゲアも笑う 大きな風が吹き 供えてあった花が飛ぶ 『ママぁ~お花が飛んじゃったよ』 娘の手を握る
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