‡猫恋‡ Ⅱ

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隆「おいで、香奈」 ニャァ……と鳴き声が上がる 茶色の毛をした猫が膝に乗る 香奈は、俺が公園で最近拾った猫である。 風呂で洗ってあげるととても綺麗になった。 香奈って名前は昔、交通事故で死んでしまった恋人の名前だ。 まだ……引きずってる。 ちょっと苛ついていた俺は 悪気は無かったけど からかってくる香奈に腹が立って怒鳴ってしまった。 すると、香奈は涙を流して走って行ってしまった。 走って行った方が道路で 車によって、引かれて死んでしまった。 俺のせいで…… 短い茶色の髪をなびかせて 振りまいてたあの笑顔を…… 思い出す度、罪悪感に捕らわれてしまうのだ。 何だか…… 公園で拾った猫に香奈って名前を付けたのは どこか、恋人の香奈に似ている様に感じたからだ。
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