二日目

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そんな俺の胸中などどこ吹く風で、無風さんは部屋を出ようと出口に向かう。 しかしその扉は閉まったままだ。 「少年、開けてくれ。シャワーを浴びたい」 「ちなみにそのまま人の姿になったらどうなりますか?」 「全裸だが」 「どうぞ」 扉を開けた。 もちろん風呂場までタオルを持って同伴した。 昨日の一件で半ば無理矢理に居座った無風さんだが、きちんと気を遣ってくれているようだ。 冷静になって思い出せば同じ布団で眠っていたわけだが、その時も猫に戻っていた。 意外と常識人なのかもしれない。 そんなことをつらつらと考えながら台所に立ち、昨日の夕飯の残りを温める。 普段ならそこで終わりだが、無風さんがちゃんと俺に気を遣ってくれている以上、こちらもそれなりにもてなすのが筋であろう。 幸い時間はまだ余裕がある。 鯖の塩焼きくらいならば、なんとか間に合うだろう。たしか切り身があったはずだ。
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