†恋の魔法は零時まで†

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「いつ…帰るんですか?」 「明日」 「え…!」 リル争奪戦が終わり、こちらの世界に用事が無くなったから、 もうすぐ帰るだろうことは、 分かっていた。 だけどまさか、明日だなんて…。 「湖琴チャ…」 「遊園地行きましょう」 人差し指を立てて、ニッコリ笑う。 「明日は、休日だし…いいでしょ、秦」 「そら、構わんけど…」 少し戸惑い気味の会長。 そんな会長に笑いかけてから、 「そこで、終わりにする」 私は会長に宣言した。 私は明日で、この恋を終わらせる。 だから… 「だから1日だけ、恋人にして下さい」 1日だけでいいから、私に魔法をかけて。 貴方の恋人と言う名の魔法を。 宝石なんか持っていなくても ドレスを着ていなくても 私はそれだけで、可愛くなれる。 私はそれだけで、幸せになれる。 たった1日でもいい。 魔法が消えてしまえば全て 夢物語として終わるだろう。 でも、それでもいいの。 たった一夜でいい。 貴方の隣に居た記憶が欲しい。 「……分かった」 会長がそう言って笑ったから 私も合わせて笑顔を見せた。 その時、私はフと 少し前のことを思い出した。  
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