◆運命の出会い

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俺はぐったりした犬を抱え動物病院へ走った。 病院についた時は、かなり重い犬を抱えて全速で走ったため、言葉も話せない有様だったが、俺の抱えた血だらけの犬を見た獣医さんは、素早く傷の手当を始めてくれた。 その様子を呼吸を調えながら見ていると、看護婦さんが驚いたように、 「君、手に怪我をしてるじゃない!」 ああ、そういえば犬の事で頭が一杯で忘れてたけど、さっき犬に噛まれた傷が今更ながら、ジクジクと痛んできた……。 看護婦さんがバタバタとガーゼと消毒薬を持ってきて、傷にあてる。 「痛っっ!」 「男の子でしょ、我慢我慢。」 傷の手当をしてくれた年配の看護婦さんは、まるで小さな子供にでも言い聞かせるかのように、笑いながら言った。
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